水の歳事記 vol.006
十六夜(いざよい)
人のいのちに密接につながっている水。季節とともに水のある生活風景をお届けします。
いざよひや闇より出ずる木々の影 三浦ちよ良
稲穂のたなびく黄金色のたんぼの稲刈りが終わると初冬を迎える北風を徐々に運んできます。
田舎の田んぼに放たれていた鯉とりが終わり、稲刈りが終わってはぜかけが幾何学模様になって連なり、盆地の収穫の秋は手作業が続き、忙しい日々を送ります。
ふと見上げると十五夜を過ぎて十六夜(いざよい)の月になっています。明日の月は、十七夜で、十五夜を境に、上ってくる時間が少しずつ遅くなってきます。十七夜は別名、立待月(たちまちづき)、十八夜は立って待ってはいられず、居待ち月、十九夜はついに寝て待つようになって寝待月と呼ばれていたようです。
澄み渡った秋空とともに、暮れ行く一日が眠りへと誘ってくれる素晴らしい月への呼び名の変化です。
|