秩父水場便り vol.008
寒の水
天恵水の生まれ故郷である秩父。水場周辺の話題を中心に天恵水のプロフィールを浮き彫りにしていく連載です。季節、歴史、そして人がテーマです。
寒中に山深い大小の滝の凍りついた風景をよく目にしますが、天恵水の水場は南面に向いていますし、冬場でも湧水の温度が10度前後で安定しているため、水量が豊富で流れているので、凍りつくことはあまりありません。むしろ、水面から湯気が上がっています。
冬の寒さの厳しいこの時期を「寒中」と言います。暦の二十四節気の小寒から大寒を含み、節分の前日までの約1ヶ月間で、一年中でもっとも寒い時期のことです。この寒の時期に汲んだ水は「寒の水」といわれて美味しい水の代名詞とされています。この時期の水は雑菌が少なく 腐りにくいため長期保存にも向いているといわれています。
寒中の寒さが暦上の期間よりも長い間続く山中では、水の美味しい期間が長く、2月中に汲まれた水は美味しく、からだに生命力を与えてくれると思います。ちょうど今お届けしているのが「寒の水」です。(この期間天恵水のシール「寒中の水」を貼っております。)
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